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2026-08-06 #体外受精(IVF)

黄体ホルモンとは?妊活・体外受精で重要な理由をわかりやすく解説

黄体ホルモン(プロゲステロン)は、女性にとって非常に重要なホルモンで、「プロゲステロン」とも呼ばれます。生理機能を維持し、子宮内膜の状態を整える働きがあるため、自然妊娠はもちろん、体外受精(IVF)治療においても、妊娠の成立と維持に重要な役割を果たしています。

本記事では、黄体ホルモンとは何か、なぜ黄体ホルモンの補充が必要なのか、また体外受精(IVF)治療ではいつ黄体ホルモンを補充するのかについて詳しく解説します。さらに、よくある質問もあわせてご紹介し、妊活中のご夫婦や妊娠中のプレママがご自身の体の状態をより深く理解し、妊娠率の向上につなげるための参考となる情報をお届けします。

 

黄体ホルモンとは?黄体ホルモンの働きをチェック!

 

黄体ホルモンとは?


黄体ホルモンは、女性の卵巣にある黄体から分泌されるホルモンです。卵巣は周期的に変化しており、黄体ホルモンは排卵後の黄体期に分泌され、子宮内膜を厚くして受精卵が着床しやすい環境を整えます。一方、妊娠が成立しなかった場合は、黄体ホルモンの分泌量が徐々に低下し、子宮内膜が剥がれ落ちて月経が始まります。

黄体ホルモンの働きは、月経周期の調節やホルモンバランスの維持だけではありません。妊活中や妊娠中には特に重要な役割を担い、胚が着床しやすい子宮内環境を整え、胚の正常な発育をサポートします。また、妊娠成立後は、母体の免疫反応から胎児を守る働きがあるほか、早産や流産に伴う出血のリスクを軽減する役割もあります。

 

 

黄体ホルモンを補充するのはなぜ?不足するとどのような症状が現れる?

黄体ホルモンを補充するのはなぜでしょうか。黄体ホルモンが不足すると、さまざまな体の不調が現れることがあります。黄体ホルモン不足の原因としては、加齢のほか、甲状腺機能低下症や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの健康状態、過度なストレス、排卵障害、肥満などが挙げられます。また、睡眠不足や喫煙、過度の飲酒といった生活習慣も、黄体ホルモンの分泌不足につながる可能性があります。

黄体ホルモンが不足すると、次のような症状が現れることがあります。

  • 月経不順:月経周期の乱れや経血量の異常
  • 月経前症候群(PMS):月経前の少量出血、気分の変動、睡眠障害など
  • 妊娠しにくい:胚の着床不全や流産リスクの増加
  • その他の疾患:子宮内膜症、子宮筋腫、子宮内膜の前がん病変など

このような症状がみられる場合は、医師の診察・評価を受けたうえで、必要に応じて黄体ホルモンを適切に補充することで、体内のホルモンバランスを整えることができます。

 

体外受精(IVF)では、どのタイミングで黄体ホルモンを補充するのでしょうか?

 

ここまで「黄体ホルモンとは何か」と「なぜ黄体ホルモンを補充するのか」についてご紹介してきました。黄体ホルモンは、妊活中から妊娠初期にかけて非常に重要な役割を果たしています。

それでは、体外受精(IVF)の治療では、どのタイミングで黄体ホルモンの補充が必要になるのでしょうか?

胚移植前

体外受精(IVF)の治療では、子宮内膜が適切な厚さに達したタイミングで、医師の指示のもと黄体ホルモンの補充を開始します。一般的には、胚移植の3~5日前から黄体ホルモンを補充し、子宮内膜を分泌期へと移行させることで、胚が着床しやすく、正常に発育できる環境を整えます。

胚移植後

胚移植後は、体内の黄体ホルモンが不足すると、胚の着床が不安定になる可能性があります。そのため、胚移植後も通常は妊娠7~8週頃まで黄体ホルモンの補充を継続します。これは、胎盤の発育が進み、妊娠を維持するために必要なホルモンを十分に分泌できるようになるまで、安定した妊娠経過をサポートするためです。

 

黄体ホルモンの補充方法とは?よくある質問をまとめて解説

 

 

Q. 黄体ホルモンの補充方法にはどのようなものがありますか?

黄体ホルモンの補充方法にはさまざまな種類があり、主に飲み薬、腟剤、注射剤などがあります。患者様の体質や治療内容に応じて、適した方法が選択されます。

飲み薬は、黄体ホルモンを補充する方法の中でも比較的手軽に使用できる方法です。妊娠していない女性では、低用量ピルなどによって黄体ホルモンを補い、月経周期を整えたり、月経前症候群(PMS)の症状を緩和したりする目的で使用されることがあります。一方、妊活中や妊娠中の方では、飲み薬による黄体ホルモン補充によって胚の着床をサポートし、妊娠しやすい環境を整えることが期待されます。

また、腟剤は生殖補助医療(ART)においても広く使用されている補充方法です。代表的な製剤には、クリノン®やルティナス®などがあります。子宮内膜の状態を安定させ、妊娠初期の出血や流産のリスクを軽減することを目的として使用されます。腟剤は子宮内膜へ直接作用しやすく、吸収性に優れ、副作用が比較的少ないことが特長です。ただし、腟の感染を繰り返している方には適さない場合があります。

 

Q. 体外受精で胚移植後、黄体ホルモンはどのくらい補充する必要がありますか?

体外受精(IVF)の治療では、着床しやすい環境を整えるために薬剤を使用しますが、その影響により、卵巣が十分な黄体ホルモンを自ら分泌できなくなることがあります。そのため、一般的には胚移植後から妊娠7~8週頃まで黄体ホルモンの補充を継続することが推奨されています。これにより、胚が子宮内で安定して発育できる環境を整え、子宮内膜の状態を維持することができます。

 

 

Q. 黄体ホルモンを補充すると副作用はありますか?

黄体ホルモンを補充すると、めまい、吐き気、便秘、動悸、乳房の張りなどの副作用が現れることがあります。また、黄体ホルモンを過剰に補充した場合には、排卵異常、むくみ、腹部膨満感、にきび(皮脂分泌の増加)、代謝の低下などが起こる可能性があり、気分の落ち込みや睡眠障害などの症状を伴うこともあります。

ただし、黄体ホルモンは必ず医師の指示に従って使用してください。過剰に使用しても効果が高まるわけではなく、かえって体に悪影響を及ぼす可能性があります。副作用が数日以上続く場合や症状が強い場合は、速やかに医師へ相談し、必要に応じて薬の用量や治療方法について相談しましょう。

 

Q. クリノン®はどのように使用しますか?

クリノン®を使用する前には、必ず石けんで手をよく洗ってください。アプリケーターの太い部分を持ち、薬剤を先端に集めるために軽く2回ほど振ります。

使用方法:
半分横になった姿勢で両膝を開き、アプリケーターの丸い先端を腟内へゆっくり挿入します。続いて、アプリケーター後部のエアチャンバーを押して薬剤を注入し、その後アプリケーターをゆっくり取り出してください。

使用後は、通常どおり日常生活を送ることができ、薬剤の溶解や吸収を促します。余分な薬剤は腟から自然に排出されるため、特別な洗浄は必要ありません。残った薬剤が多く、かゆみなどの不快感がある場合は、滅菌綿棒で腟口の外側をやさしく拭き取ってください。

李怡萱  Yi-Xuan Lee, MD, PhD., 主任醫師.

李怡萱 醫師

Yi-Xuan Lee, MD, PhD.

TFC 臺北婦產科診所 生殖中心 主任醫師

中山醫院婦產部生殖醫學科兼任主治醫師

醫療新知類別: # 体外受精

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